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結婚しなくても幸せなこの時代

先日の記事を、何やら色々な方がシェアしてくださったらしく、いきなりプレビュー数がものすごい数になり驚いています。ありがとうございます。

 

 

peachmarmaladeboy.hatenablog.com

 

 

この記事で、かなり深刻な感じで語ってしまった為、だいぶネガティブに捉えている方が多いようだったので、私の現状を話そうとまた出てきてしまいました。

 

 

 

 

結婚資金を貯めると決めて、具体的に結婚に向けて何をすべきか考えた。

結婚資金は、貯まったら自動的に結婚できるというものではないから。

 

 

男性と関わりが一切なかった私は、まず関わりを作るところから始めなくてはならなかった。かなりの難関だ。

とはいえ、社会人ともなれば職場に男性の一人や二人はいるし、ありがたいことに私の職場はどちらかというと男性主体の職場である。捉えようによっては逆ハーだ。

 

休憩時間、いつもは一目散に休憩室を飛び出して、外のカフェなどで昼食を取っていたのだが、お弁当を持参して休憩室で昼食を取るようにしてみた。関わりを持つ絶好の機会を作った上、家事力アピールができるという算段だ。完璧である。

いつもはいない私が、急に休憩室に現れたものだから、男性はもちろん、同性の同僚たちも物珍しそうに私を見てくる。久しぶりに登校した不登校生徒の気分だった。

すると、一人の同僚が話しかけてくれた。男性だ。作戦成功だ。内心小躍りした。

 

 

「○○さんって、ジャニーズ好きなんでしょ?」

 

 

死にたくなった。

 

「え?誰が好きなの?」

「コンサートとか行くの?」

 

話は盛り上がったし、私もできるだけ笑顔で答えた。

ただ、内心ドン底だった。だって明らかに男性陣の表情は、学生時代に見た"カースト下位女子を見下した笑顔"だったから。

被害妄想だと思う人もいるかもしれない。私も、今思えば、彼らは何も考えずにただの話題のタネとして話していただけなのかもしれないと思える。

けれどもその時の私はまだ、ジャニーズ以外の男性が怖くて怖くて仕方がなかったのだ。

 

その日の帰り、CDショップに寄った。

先日初回盤を手放した、ジャニーズの通常盤DVDを買った。

一晩中見た。

 

ジャニーズという趣味を断つことで、預金通帳は満たされていくけれど、心は確実にすり減っていた事に気づいた。

 

しばらく連絡を取っていなかったオタ友に、夜中だったが起きているだろうと思い(ジャニオタは皆、深夜まで起きている。(当社比))、久しぶりに連絡を取ってみた。

 

私「おひさしぶりです」

友人『久しぶり』

「オタ卒疲れました」

『おいおい』

「ヘルプ」

『いつ空いてんだ!!!!□□(私の担G)に浸かるぞ!!!』

 

持つべきものはオタ友だと思った。

泣きながらLINEに空いている日にちを打ち込む。私の仕事終わりにオタ会を開く事になった。

そこからは心がとても楽になった。オタ会の日までは生きよう。ちょっとした生きがいができた。

そしてオタ会当日。唯一手放さずに取っておいた、ちょっとした思い入れのあるペンライトと、先日購入した通常盤のDVDをカバンに入れて会社に出社した。

 

 

それが波乱の幕開けだとも知らずに。

 

 

休憩時間、お弁当チャレンジは懲りずに続けていたので、休憩室に入ると、同僚が私のカバンを見て吹き出した。

 

「○○さんのカバン、なんか光ってるよ・・・!」

 

・・・光っていた。中でペンライトのスイッチが入ってしまったらしく、私のカバンがなんか「伝説のカバン」みたいになっていた。

しょうがなく、ペンライトを取り出す。ジャニーズお得意の特殊な形のペンライトな為、余計に注目を集めた。

 

「何それ!」

「なんでそんなの持ってんの?」

 

弁明のしようが無く、この後ジャニーズ好きで集まってコンサートの映像見ながら、このペンライト振ったりするんです。と説明してみた。

恥ずかしさで死にそうだった。お坊さん、戒名には担Gの名前を入れてください、なんて考えた。

すると、反応は私からするとかなり意外なものだった。

 

「超楽しそうじゃん!」

「え、てかDVDあるなら見てみたい。」

 

意外と皆、ジャニーズに好意的だし、オタクに寛容だったのだ。

職場の休憩室のテレビで、担GのDVDを流す日が来るとは夢にも思っていなかった。

自担の見せ場でつい、はしゃぎ気味に「これが私の好きなメンバーです!」と言ってしまい、しまった、と思った(職場では私は死ぬほどネクラ)が、「本当に好きなんだね。」と、皆が笑ってくれた。今度は素直に、"普通の笑顔"だと受け止められた。

 

最初は、男性との関わりを作るために休憩室でお弁当を食べる事にしたのだが、それによって、男性はもちろん、今まで同性の同僚ともほとんど関わってこなかったことに気づいた。

そして、ジャニーズがきっかけとなって、同僚たちとの関わりを作ることができた。今までオタク以外の人たちと関わる際の足枷だと思っていたジャニーズが、まさか手助けとなってくれるとは思わなかった。

自分の幸せのためにジャニーズを踏み台にするとかそういう話では無く、純粋に、自担が好きな自分が、他人から見て"幸せ"に見えているのだと思えて、あの同僚たちの「本当に好きなんだね。」と言う言葉と笑顔が、本当に嬉しかったのだ。

 

 

その日の夜、オタ友とカラオケで落ち合う。

 私がやけにニヤニヤした顔で入ってきたのを不審に思ったのだろう。友人が早々にツッコミを入れてくる。

 

『元気そうじゃん。』

 

私は、ペンライトの色をカチカチと自担カラーに変えながら、

 

「今、幸せだから。」

 

と答えた。

 

 

 

 

今までジャニーズにつぎ込んできた金額が、20代の平均結婚資金額だった

私がそれを知るきっかけは1つのツイートだった。

いつも通り、コンサートのレポや、テレビ番組の感想なんかが流れるタイムラインに、

誰かが気まぐれにリツイートしたのだろう。

  

 

 

 

タイムライン上のフォロワー達は、皆笑って流していたが、私はこのたったひとつのツイートにかなり動揺させられてしまった。

私もジャニオタをしていたが、一般女子程度にはおしゃれもしていた。その分お金は無かった。貯金だって正直なところ、ゼロに近かった。なにより焦ったのが、「結婚資金」という概念が今まで自分の中に存在していなかったことだ。

恐る恐る、「結婚資金 20代 女性」で検索をかけ、目についたサイトを見て愕然とした。

 

 

laurier.press

 

 

女性の結婚資金の平均貯金額は260万円だそうだ。

 

 

「260万円」

 

 

私は現在20歳の社会人で、中学2年生、14歳の頃からジャニオタをしていたのだが、その頃からジャニオタとしての活動に使ってきた金額を数えればそのくらいになるだろう。というか計算した。ゆうに超えていた。

 

私は何をしているのだろう。

 

私は今まで彼氏がいたことがない。14歳からずっとジャニーズだけを追いかけてきたら、処女のまま成人式を迎えてしまった。

青春の思い出だって何もない。友達と遊ぶよりもジャニーズのコンサート、地元の友達よりもネットのオタ友。そんな生活を続けてきたら、異性との関わりなんてもちろん無かった。

だからこそ、私はさらにジャニーズにハマってしまったのかもしれない。

異性との関わり合いが無かった私は、ある意味で"男性"という性を神聖化して見ていたのだろう。ジャニーズという華やかで美しい集団が相手であればなおさらだ。

だから社会に出て、職場の男性と接するのもなんだか怖かった。だって美しく無いから。私の知っている"男性"と違うから。

その分、家に帰って、ジャニーズのポスターに囲まれて、ジャニーズのDVDを観て過ごす時間は至福だった。

休日ともなれば、朝から晩まで一日中観ていた。それ以外にすることも、それ以外にしたいと思うこともなかった。

自担の載る雑誌は全て買い、新写真も出れば即日ジャニショに出向いて担当グループ分は全買いしていた。

コンサートがあれば、通えるだけ通った。遠征だってもちろんしたし、夜行バスには何度も乗った。チケットは自担の立ち位置を調べて、なるべく近い席を探したり、とにかく必死だった。

だって自担が私の全てだったから。自担に青春を捧げて、自担に全財産も捧げたから。

だから自担に振り向いて欲しいし、ファンサも欲しい。必死な自分が報われたい。

 

 

私はジャニオタではなく、ジャニーズ依存症だったのだ。

 

 

純粋に自担が好きで、自担の為にお金を使っていたはずが、いつの間にか「自担が好きな自分」の為にお金を使っていた。

そして自分の為にお金を使っているのに、そのお金は自分の将来には何一つ繋がっていないのだ。 

周りは私がジャニーズに使ってきた額と同じくらいの額を、自分の将来のために貯めていると言うのに。

それに気づいてしまったら、私はもう今まで通りに彼らのファンでいることはできなかった。

 

 

 

今は少しずつだが、グッズやCD,DVDを手放したりして、結婚資金の貯金も始めている。とはいっても、非正規雇用の20代がゼロから始めたものだ。まだ雀の涙ほどしか貯まっていない。

 

私は、いつか自分の旦那と子供と、ごく普通の幸せな家庭で暮らすことが、幼い頃からの夢だった。

 

今、その夢に少しずつだが近づけているような気がする。

 

 

 

 けれど、壁一面に貼られたままのポスターを見ながら、今度はいつ彼に会いに行こうかな。なんてことを考えている自分も、少なからずいるのです。